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連作障害をミネラル補給で解消!

 農産物の生育に欠かせない3要素に比べ、ミネラル(微量要素を含む)の補給を無機の形で人為的に行うことは難しく、拮抗作用で吸収されないことやイオン反応により作物に利用できないものになったりするものです。また更には毒性を及ぼすものなどバランスよく施用することは困難です。昔の畑作は地下水や伏流水の利用で自然とミネラルを補給していました。また、食品残渣など自家製の堆肥を利用するのもこうしたミネラルの補給に一役かっていたものです。しかし、現代の農業では環境問題や連作型農業によって天然のミネラル不足がちなのです。

ミネラルの植物体内での役割

マグネシウム(Mg):光合成における光エネルギー吸収の役割は葉緑素(クロロフィル)で行われます。葉緑素の色素を形成する中心金属はMgで、タンパク質を配位した形で存在します。Mgが不足すると光合成の働きが鈍り、やがて黄化します。

カルシウム(Ca):細胞の中にイオンの状態で存在し、タンパク質と結合し細胞機能の調整役を担っています。細胞分裂の際にカルシウムイオンが細胞膜形成に強く関与し代謝機能を調整しています。カルシウム不足は根の先端や若い葉に影響し、変形が生じます。

硫黄(S):アミノ酸、タンパク質、ビタミンなどの構成成分で、窒素に類似した機能を果たします。不足すると窒素不足に似た症状で成長抑制やアントシアニンの蓄積がおこり、その症状は成熟した葉や若い葉に現れる。

鉄(Fe):葉緑体にあるクロロフィルタンパク質複合体の合成に必要で、電子伝達の酵素の構成成分として重要な働きをしています。不足すると若い葉に現れ全体が白くなる。

マンガン(Mn):光合成における酸素発生酵素を活性化させ、水から電子と水素をうばう酸化反応を担う役割をもち、不足すると葉脈間にクロロシスが発生する。

ほう素(Fo):細胞の伸長、核酸の合成などほう素の役割は重要で、不足すると若い葉や頂芽が黒くなりやがて壊死する。連作により畑作でも近年はほう素の不足による障害が頻発している。

亜鉛(Zn):オーキシンなど植物ホルモンに必要な中心金属で、根の伸長や側枝の発生などに働きます。不足すると古い葉の葉脈間にクロロシスが発生し壊死します。光合成の急な高まりでも不足症状が現れる場合があります。

モリブデン(Mo):植物体内において硝酸から亜硝酸への還元を触媒する硝酸還元酵素の中心金属です。また、窒素固定にも関わっており、窒素欠乏が引き起こされる。

銅(Cu):光合成明反応の電子伝達酵素プラストシアニンに重要な金属で、光合成反応を高め糖の合成を正常に保ちます。

塩素(Cl):植物体内に塩素イオンの形で存在し、光合成において水を分解し酸素を発生する反応に必要です。更に塩素は葉や根の細胞分裂に重要な働きをします。通常の土壌においては不足することはない。


では、ミネラルの補給にはどうしたらよいか?

天然の原料を利用したミネラル補給が最も理想的手段です。手っ取り早いものは海水ですが、塩分濃度が高いのでお勧めできません。こうしたことから塩分を取り除いた「にがり」は最近注目されている資材です。また、海藻や貝類の残渣を利用した肥料もミネラル補給には最適なものです。それぞれの圃場や作物に合わせて選ぶことが必要です。


ホタテ貝殻消石灰、生薬煎じかす、農業用にがりなど天然のミネラルを含んだ土壌改良材がおすすめです。



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