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知っておきたい界面の話

  • 界面とは何?
界面とは物と物が接したときに必ず存在する境界面の事です。個体と個体、液体と液体、液体と固体、気体と固体、気体と液体の接する境界には必ず存在しています。分かりやすいものでは油と水です。水に油を注ぐと油は比重が軽いため水の表面に浮きあがりますね。物質同士に界面が存在するからです。

  • 界面活性とは?
物質と物質には界面が生じ混じり合わないですが、科学的に界面に変化を与えれば性質の違う物質でも混じりあいます。身近には洗剤があります。油汚れの食器から油を洗い落とそうとしても、水と油に界面が生じて洗い落とせません。でも洗剤を使うと油汚れが水で流れますよね。つまり水と油の界面を科学的に変化させ水と油がなじんだ結果、水と一緒に流れ落ちるわけです。

植物における界面の話

  • 土壌に種をまき水をかけますが、もちろん種と土、土と水、種と水にも界面が生じます。水をかけてもなかなか土になじまないのは界面が生じているからです。種は土壌の水分によって発芽するので、土壌に十分に水が吸収される必要があります。この場合も界面に変化をおこすことで、両者が馴染み発芽がスムーズに進みます。
  • 植物の根においても同様の現象があります。根が土壌に伸びていく際、自らが分泌する物質で土壌の中の水と界面を変化させ接しているのです。植物の葉においても、水が表面張力で水滴になりますが、これも界面が生じているからです。この場合も界面を変化させることで表面張力が弱くなり、葉が濡れた状態になります。こうした界面を変化させることを「界面活性」といいます。

界面活性剤の話

  •  界面を活性させる物質、界面活性剤を利用することで、植物の栽培にも有効な場合があります。たとえば乾燥しやすい土壌の場合、界面活性剤で水と土壌が良くなじみ、乾燥しにくくすることができます。また、定植したばかりには根が土壌水分と良くなじみ活着が早くなります。葉面散布時にも界面活性剤のはたらきで液体が葉になじみ、浸透性を高めることができます。

  •  界面活性剤の構造は、水に対して馴染みやすい親水基と、油に対して親和性もつ疎水基からなっており、水と油の界面では親水基を水側に、疎水性を油側に向けて並ぶ2つの性質が水と油をなじませるのです。

界面活性剤の種類
  • 界面活性剤にはさまざまな種類がありますが、大きく分けて3つあり、「アニオン性界面活性剤」、「カチオン性界面活性剤」、「両性界面活性剤」に分類されます。それぞれにイオンの電荷を持ち、①吸着性②浸透・湿潤性③界面張力低下④乳化分散⑤懸濁分散⑥超泡性の目的に応じて使われています。

まとめ
私達の生活のなかでも石鹸や洗剤、化粧品など欠かせない身近なアイテムに界面活性剤は使用されています。農業の分野でも界面活性作用をうまく利用することで、健全な植物生育に役立てることができのではないでしょうか。

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